[レビュー] [写真集] 矢島舞美写真集 爽・空(ワニブックス/橋本雅司/2800円(本体))

レコード大賞の新人賞を獲得した℃-ute。その℃-uteの2トップといえば、この矢島舞美と、後述の鈴木愛理。この二人の人気と他とに落差があるため、この二人の写真集ばかりが発売になっています。この写真集は矢島舞美の2nd写真集です。1st写真集はクールな美少女感を中心とした撮りだったので、2作目はそこの路線を変えてくるかと思いましたが、同じ橋本雅司撮影ということになりました。

写真点数としては笑顔の写真が多く、1st写真集よりも笑顔の印象は残る。笑顔のバリエーションも多いんだけど、弾けるような笑顔というところまでの物がなく、抑制されている部分が多いため、レンジとしての狭さを感じます。ライブなどで見せているので、弾ける笑顔も出来るのでしょうが、それを写真にしてしまうと崩れが目立つという部分もあるのでしょう。でも、もう少し何点かはそのレベルまで行った笑顔が欲しかった気もする。

そう言いながら、やはり心打たれるのはクールな美少女感が出ている写真なんですね。表紙を開いて最初のページに現れる、東京の街中で撮ったカット。「東京の美少女」といった切り取り方のインパクトに目を奪われます。最初のタートルネックのカットと、最後の制服のカットで見せる美しさ(駅の線路を見つめるカットも素晴らしい)には、大袈裟かも知れませんが神々しさすら覚えます。逆に、水着写真とかは(魅力的ではあるけど)見流してしまう部分もあったり。

衣装は水着が3種、白、青のビキニと赤のセパレート。冬の東京で撮った写真は、白のタートルネックと冬の制服。グァムで撮った写真はスポーツウェア、キャミソールっぽいもの、スリップドレス系、ワンピースなど。スポーティーなミニスカートなどもあったり。露出度としては、グァム撮影の部分が多いこともあり、1st写真集よりは上がっている印象ですね。水着以外の露出度もそこそこあります。

水着の露出度は十分だし、露骨な嫌らしさがない、綺麗な仕上がりになっています。この辺は橋本雅司の上手さですね。水着以外では、大人びた美しさをもつ彼女ということで、スリップドレス系など大人っぽい衣装も揃えられていますが、そこよりもスポーティーな衣装に彼女の魅力が現れている気がします。そのものずばりのスポーツウェアの写真や、後半のノースリーブのパーカーの写真に良いものが多い。表情としてもこれらの写真が良好です。

全体として、1stと同じ撮影者である分、新鮮な驚き等は少なかったですが、彼女の現在の美少女性を巧みに切り取るという点で、撮影者の選択は間違っていないと思いました。表紙の表情がやや暗く、裏表紙を含めても(右下に笑顔の写真はありますが)リカバーできていない感じがして、そこが残念なポイント。グァム撮影のカットをもってくる必要性は分かりますが、表紙としては前述の街中カットがインパクトがあったような気もします。

しかし、そこを除けば満足のいく仕上がり。1stを正しくバージョンアップした内容なので、初購入の方にもおすすめです。不満点があるので100点をつけにくいですが、ほぼ100点に近い95点かな。(95点)


矢島舞美写真集『爽・空 (そうそら)』(DVD付)


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