森絵梨佳ファースト写真集「ERIKA」(ワニブックス/新津保建秀/2800円(本体))

元々少女誌モデル系というか、グラビアとは遠い位置に身を置いていた印象のあった森絵梨佳。ですが、ここ1年で制コレ2004グランプリに選ばれ、ヤングジャンプ上での登場も重ねたり。グラビア以外でも仮面ライダー響鬼への出演など、アイドル的な展開も踏むようになってきました。その彼女が、明日から制コレ2005が始まるこの区切りで(というわけでもないでしょうが)写真集発売。
撮影は新津保建秀、過去アイドル系の写真集というとハロプロ系の松浦亜弥飯田圭織を撮ったこともありましたが、あまりイメージがない。どちらかというとrelaxとかHとか、そういうコジャレ系(偏見)の雑誌のアイドルグラビアが印象に残っています。作風としてはソフトな、白っぽいフィルターを通してみるような写真で、アイドルグラビアの典型的な雰囲気とは違った感じの写真集となっています。単純に決めつけるなら「ファッショングラビア的」と言えるかも知れない。
衣装は制服という一つの柱と、水着というもう一つの柱で構成され、体操着や普段着、病院服?(CT撮る時とかに着る服、ナース服にちょい似)などが彩りを添えている。水着はビキニもある物の、いかにもというビキニカットは数ページで、あとはビキニの上に上着を羽織ったカットと、競泳水着風(裏表紙に掲載されている物)。ということでこう書くと不満バリバリになりそうなおとなしさですが、なぜかほとんど不満を感じないです。というか、これでも相当エロチック。
新津保建秀の撮り方の上手さもあるのでしょう。私が太もも露出で単純に満足してしまっているだけかも知れない。ですが、森絵梨佳の視線で語るエロス、これが競泳水着の写真ですら、別の意味を持たせている。スレンダーなスタイルを見せつつ、iPodを持ってこちらを見つめるカット、この辺で心を縛られてしまいました。見ているうちに、衣装なんてどうでも良くなって、森絵梨佳の視線にばかり目がいってしまいます。数点を抜き出したアップトゥボーイエンジェル系の先行グラビアでは分からない、写真集のパワーを感じます。
といいつつ、衣装面で不満が残らないかというと嘘になる。もう少しビキニが多くても良いんじゃないの、とか。2006年カレンダーのサンプルイメージの黒ビキニとか…。でも、それが掲載されることでこの写真集の流れは変わってしまうかな、とも思う。他で見せてくれるなら、この写真集はこれで良いのでしょう。そんな中、可愛いのは病院服の1カット目。レアな衣装だけど、このアプローチは良い。
この視線、この表情、このビジュアルに吸い寄せられる、作品性の高い写真集。好みが分かれるのは間違いないけど、森絵梨佳の神秘性を失わない形で、水着と調和させる、1st写真集としてなすべきことは正しくなされていると思います。私は非常に気に入りました。(100点)[→amazon]