石原さとみ写真集「たゆたい」(小学館/熊谷貫/2500円(本体))

今日の少年サンデーのグラビアにも掲載されていました。実は、この写真集は少年サンデー特別編集で、これまでの写真も掲載されている、ということを購入後帯を見て知った私。そういう情報、入ってなかったからなー。版型はB5ということで若干がっくり来た部分もありましたが、本の厚さはかなり厚く、「豪華150ページ」と帯に書いてあるのも納得の重量感。このページ数なら購入するに不足はないです。表紙のメイクや髪型はちょっと異彩を放っていますが、そこは気にせずに購入。
最初に幼年時代の写真が入ってくる辺りにも不安を感じましたが、それは巻頭数ページで終了。前半は撮り下ろし、中央付近で過去のグラビアの再掲載、後半はまた撮り下ろしに戻る構成です。正直書くと、過去のグラビア再掲載は、いらなかったかなー。石原さとみはここ一年くらいで急速にシャープに、垢抜けた雰囲気が出ているので、それを表した今の写真と昔の写真を比較してしまうと、落差が激しすぎる部分があります。過去の写真はあまり点数も多くないので、それほど影響はない物の、やや流れを断ち切られた印象があります。
事前のグラビアでも容易に予想出来たように、水着はなし。露出面積的にも、低い衣装が並んでいます。ですが、面積的にはそうであっても、下着なしなんじゃないの、という衣装を着て、胸の谷間を露わにする写真などが面積の少なさを補います。全体に、衣装が「緩い」んですよ。大きな上着から太ももを露出させたり。その緩さと、彼女の持つしなやかさとが合わさって、魂が引き込まれるような、何かを受け止めるような、そんな感じを受けます。ちょっと大袈裟に書きすぎている部分はありますが、文章で書くとこういう思いを書かざるを得ない。
表情的にこれはNGだろ、というカットもあります。でも、振れ幅の大きさから、NGがあってもそれを補うOKがあるので、魅力を削がれる感じはしません。最後の方で特徴あるメイクを重ね、表紙に近い印象を与えて終わる部分も、それだけなら抵抗を感じるでしょうが、それまでの自然さから最後に作り込み、という流れのために素直に受け止められる。構成なども、よく考えられています。
石原さとみに対しては、多分興味がわかなければ(もしくはネットに流れる情報から抵抗感があったりしたら)全く受け容れられない部分はあると思います。ですが、興味を持ったら、その興味を色々な点から受け止める魅力の広さがある。その魅力の広さを、なるべくそのままに切り取った、良い写真集だと思います。衣装の中では浴衣が可愛かった。おすすめ。(95点)[→amazon]