月刊川村ゆきえ vol.1/vol.2(新潮社/藤代冥砂・齋門富士男/各1500円(本体))

2冊が連続して発売になりました。藤代冥砂の方は休養前、齋門富士男の方は復帰後の川村ゆきえ撮り下ろし。月刊シリーズと言えば巻中のインタビューも読みどころなんですが、vol.2にはインタビューはなし。ということで、2冊それぞれで完結しているものではなく、あたかも撮影者の違う2分冊として扱うべき内容かも知れません。
しかも、撮影者は違いますが、1冊目の最後と2冊目の最初は同じ衣装での登場。撮影者の色づかいは若干異なるものの、ロケーションや画面を覆う閉塞感、退廃感も(じっくり見るならともかく)大きく違わないので、2冊に分かれている意味はあまりないし、2冊買う意味もあまりないかも知れない。
で、どちらをおすすめするかというと、キャッチーなのはvol.1かな。水着カットも多く、派手めの水着が多いので、通常の写真集テイストで楽しめます。「サーカスと水着美女」というコンセプチュアルな内容ではありますが、コンセプトが走りすぎているわけでもなく、素直に楽しめる仕上がり。藤代冥砂特有の癖も、川村ゆきえだと魅力をスポイルする方向ではなく、十分に受け止められているし。それでインタビューも読めて、お得です。
一方vol.2は、復帰後の彼女を捉えられているという意味で貴重だし、復帰後の変化のなさを確認できるという意味でも価値はあるのですが、vol.1の後で出すには違いというか、新鮮さというか、その辺りに欠ける感じです。衣装やシチュエーションは非日常なれど、その断片を切り取ったような写真の連続に、物足りなさを感じるのは事実。
とはいえ、後攻不利のネタ試合のような展開になってしまって、vol.2には不当な評価になっている感じもする。休養前後を見比べる意味で、両方買って、それをネタに色々論評するのが、一番良い楽しみ方かも知れません。川村ゆきえの水着姿を楽しみたいのなら、1st/2nd写真集辺りを買っておく方が良いのだろうし。購入者を選ぶ内容なので、買うまでに中身が確認できるよう、色々当たってみてください。(90点/85点)(購入:月刊 川村ゆきえ vol.1/月刊 川村ゆきえ vol.2)