[レビュー] 北乃きい写真集「北乃模様」(ワニブックス/藤代冥砂撮影/2800円(本体))

北乃きいの2nd写真集。北乃きいのグラビアというと、ヤンマガ木村晴で撮影(1st写真集もその組み合わせ)が多く、違った人に撮られるというのは珍しいので興味がわきます。でも、その撮られる相手が藤代冥砂っていうのはどうなのかなー、というのが購入前の感想でした。北乃きいは、まだ藤代冥砂に撮られるような落ち着いた雰囲気を見せるには早いし、もっと正統派の西田幸樹とか、分かりやすい方が良いのではないかな、と思って。

実際、きゃぴきゃぴとした感じの北乃きいを期待すると、裏切られたような感じを受けるかも知れない。特に、水着写真では意図的かとも思えるくらいに、おとなしめの、何かを思うような表情が多い。裏表紙のような、元気な笑顔の水着写真は、(序盤に数枚有るが)あまり期待しない方が良いだろう。

水着が少ないわけではない。水着の写真自体は結構ある。でも、オールビキニとはいえ、水着が3パターンしかないので、おなか一杯感が味わえる程でもない。他は、ベトナムでの撮影は割と露出度の高い衣装が多いが、こちらもパターン数はそれほど多くない。最後の方に冬の北海道での撮影、こちらはページ数の割に衣装点数が多いかな。でもまあ、全体として衣装の着せ替えを楽しむ写真集でも、ない。

では何をこの写真集で楽しむのか。購入後、パラパラ見た感じではそこがつかみ取れなかったのも事実。そういう意味で商品力としては(取っつきやすさも商品力の重要な要素なので)低いとは言えるだろう。Amazonでの評価が若干低めなのも理解できる。多分、多くの人にとっては、物足りなさが残る、そんな気がする。

私としても、何かを見つけられたわけではない。でも、このレビューを書く際に再度見てみて、北乃きいの女優としての表情の成長、豊かさの成長を感じ取って、初見よりも印象がよくなった。長澤まさみの何冊めかの写真集(多分Summertime Blueだと思うが、自信なし)を見たときに、同じような感覚を感じた気がする。淡々とした中からあふれ出る、自信と成長。本人にとっては、価値ある写真集になったんじゃないかな。(95点)


北乃きい写真集『北乃模様』


北乃きい写真集『北乃模様』